肝臓領域

石川県肝疾患診療拠点病院として、また北陸地区の中核として、肝炎、肝硬変、肝腫瘍に対し高度な診療を提供しています。

肝がん診療と肝移植

肝腫瘍や肝がんの診断・治療では、放射線科・外科と連携し、毎週のカンファレンスを通じて最善の治療提供体制を整えています。ラジオ波焼灼術や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬を用いた薬物療法では、国内でもトップクラスの実績を誇り、次世代の肝臓専門医(Hepatologist)の育成にも力を入れています。また、北陸で唯一の肝移植施設として、肝不全から移植への橋渡しも担っています。

地域診療連携と国際的な取り組み

ICTを活用した石川県肝炎診療連携システムを確立し、早期発見と効率的な治療を推進。WHO協力機関(WHO Collaborating Centre for Chronic Hepatitis and Liver Cancer)として、国際ガイドラインの作成や東アジア肝炎ネットワークの構築など、国際的活動にも積極的に取り組んでいます。

胆道・膵臓領域

難治性でありながら症例数が増加し続けている膵がんに対して、当院では2025年に「革新的膵がん医療研究開発センター」を設立しました。放射線科・外科・病理部と連携した毎週の膵がんユニットカンファレンスを通じ、最善の治療提供と専門医育成を両立しています。

胆膵内視鏡への取り組み

内視鏡センターの充実した設備を活用し、年間450件のERCP、170件のEUS-FNA/B、デジタル経口胆道膵管鏡などを駆使して、正確な診断からEUS下胆道ドレナージ、若手医師の育成まで、チームで取り組んでいます。胆膵疾患の診断・治療に精通し、内視鏡診断・処置から化学療法まで担える「Endoscopic Oncologist」を目指しています。

新たな膵臓・胆道診療を目指して

膵がんの早期診断を目指したバイオマーカーの開発にも継続的に取り組んでおり、実臨床での応用も目前です。治療法の確立に向け、多施設共同の臨床研究にも積極的に参画しています。

消化管領域

当院では、内視鏡センターの充実した設備を活用し、すべての症例において初期から拡大内視鏡や特殊光を用いた精密な診断を行い、日々研鑽を重ねています。

消化管がんの診断とESD

食道・胃・大腸のESDなどの内視鏡治療を完遂できる優れた内視鏡医の育成を目指し、経験豊富な専門医による日々のレクチャーと、全員で画像を共有して考える毎週のカンファレンスを行っています。また消化管外科との連携により、腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)などの低侵襲治療を推進し、地域の消化管診療をリードしています。

充実した内視鏡センター

年間6,500件の上下部消化管拡大内視鏡検査に対応可能な設備を備えています。胆膵・消化管の双方に十分な経験を持つ「総合消化器内視鏡医(Total Endoscopist)」の育成にも注力しています。

先進的な内視鏡診療

逆流性食道炎に対する内視鏡治療や、食道がんに対する光線力学療法(PDT)を積極的に実施しています。さらに、アカラシアに対するPOEMも地域で初めて提供できるよう準備を進めています。

炎症性腸疾患

国内で約40万人が罹患し、現在も増加傾向にある炎症性腸疾患(IBD)に対し、「小児・成人炎症性腸疾患センター」として、小児科・外科の専門医と連携して日々診療を行っています。多施設共同研究や新薬の国際共同治験にも多数参加しており、小腸内視鏡、狭窄拡張術、カプセル内視鏡なども積極的に実施。専門的な研修の機会も豊富です。

門脈圧亢進症

肝疾患の予後に関わる門脈圧亢進症の症例が多く紹介されており、内視鏡的硬化療法(EIS)やEVL、緊急止血術を日々実施しています。若手医師もこうした処置を経験できます。放射線科との連携により、BRTOやPSEも多くの症例で行っており、薬物療法を含めた治療成績は学会や論文で報告され、全国的にも高い評価を得ています。

当科では、受診者の皆様のご協力を頂き、臨床研究を行っています。金沢大学附属病院のWebページにて、臨床研究情報が掲載されておりますのでご参照ください。

金沢大学附属病院先端医療開発センター
現在実施中の治験・臨床研究
臨床研究の開示文書に関するご案内
金沢大学 WHO慢性肝炎肝癌協力センター

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